タウンぶらぶら歩き

 豊田市駅周辺の中心市街地の商業地区を見下ろす西方の丘陵地には市民にはよく知られた毘森(ひもり)公園があります。第一画廊はその丘陵地の毘森公園や豊田市美術館にも近く,旧国道153号線から路地を少し入ったところにあります。
旧国道脇にある案内看板
住 宅の一部を画廊としているので,少しわかりにくい場所ですが,落ち着いた雰囲気の画廊です。居宅の脇の路地を奥に進んで,扉をあけて中に入ると,洋と和の 空間が隣り合わせた雰囲気のギャラリーをみることができます。もともとは,オーナーが作家仲間と集まって過ごしていた場所を改装してギャラリーとしたた め,その利点を生かしたかたち落ち着いてくつろげる空間となっています。
入口付近の概観 大きなラウンドテーブルのある洋間
  第一画廊はお父さんが会社を経営する傍ら絵画収集の趣味が嵩じて25年前に創められた画廊です。はじめは藤が丘に,ほどなくして名古屋の中心地である栄に 画廊を移されたとのこと。しかし,栄に移転して2年後にお父さんが亡くなられ,その遺志を近藤智砂さんと妹の渡辺恵理さんが継がれて,現在の場所で画廊を 営むことになったそうです。
 画廊を引き継いだ当初はお二人とも学芸的な仕事をされていたわけではなかったので,この世界のことはほとんど知らない中で,お父さんと顧客や作家さんと 同じような関係をお二人がそのまま引き継ぐことは困難で,一からの出発だったとのこと。しばらくの間はさまざまな方から指導や支援を受けつつ,なんとかス タートをきることができたそうです。しだいに,引き継いだ顧客や知人の紹介などで新たな顧客が増え,また,作家の輪も少しずつ広がっていったということで した。
 現在第一画廊では,企画展は年に数回(来年は6回を予定)行なうとのこと。企画展以外の期間は常設展示になります。企画展は個展及びグループ展ですが, グループ展は作家仲間での会や夫婦二人展などが多いそうです。それぞれ作家さんと相談しながら季節にあったものや作家さんのおすすめのプランを考えたり, これはとても楽しい時間だそうです。展示点数は絵画であれば30点ほど,陶器・オブジェではサイズにもよりますが100点程度の展示が可能。今後は回数を 増やして行けたらとお話されていました。
取り扱い作品の中心となるのは,洋画・版画・陶磁器などですが,最近ではガラスやブロンズの作品も扱うようになりました。
「作家さんとは父がつきあってきたように対応することは難しい。父だから,父の人柄でお付き合いして下さっていた作家さん,お客さんも少なくなかった。同 じことが出来ないのは,父とは,スタートが違うし,それは当然のこと。」と智砂さん。お父さんが画廊を創めた頃の年齢に近づきつつありますがと尋ねると, 「自分たちならではのスタイルを積極的につくっていきたい・・・。」と語られていました。

 今後,あるいは理想とする姿のようなものはありますかと聞いてみました。お二人は「市内の方に立ち寄っていただけるようにしていきたい。この街ではこれ まで美術展やギャラリーの作品展に積極的に訪れることはあまり浸透していませんでした。この街は企業城下町として目覚しく発展してきて,人口も増加してき ました。街は大きくなっている中で人々はようやく文化的なものに目を向けはじめています。今はギャラリーをふらっと訪れる方はまだ少ないですが,来訪者の 充実をはかっていきたいと思っています。人と作家とギャラリーの雰囲気をトータルで考えていくことが何かにつながっていくのかな。何となく立ち寄ってくれ る人,ここに来ると落ち着くという場にしていきたい。時にはそこに作家さんもいたり,たとえば音楽があったりするのも素敵かな・・・」と語っておられまし た。確かに大きな木製のラウンドテーブルがあり,それを取り囲んで絵画や陶磁器・ガラス製の器などの作品がある。そして隣には落ち着いた琉球畳の和室と ローテーブル。一般的なギャラリーとは異なり,落ち着いた雰囲気の空間と作品が複合してかもしだすものに包まれたギャラリーでした。
落ち着いた雰囲気のローテーブルのある和室

文、写真:杉浦


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