タウンぶらぶら歩き

 今月は、2006年7月のメルマガのコラムに寄稿いただきました、S53 竹村泰一さん、S55 元太さんの保護者である竹村一三さんが院長を務めておられる「医療法人蓬左クリニック」さんを取材させていただきました。
名古屋の真ん中、地下鉄栄駅からすぐの錦三丁目のビルの3F。


   

漢方医学とは、伝統的な医学体系を基礎として主に生薬による処方によって病人を治療する方法。漢方といえば漢方薬による治療のみでなく、鍼灸や按摩、食養生なども含まれます。
日本には、朝鮮半島を通じて、また遣隋使・遣唐使によって中国から伝えられました。13世紀頃には禅宗の僧が医学の担い手となり、現在の漢方医学といわれるものが発展するのは15,6世紀になってからでした。

「日本でも昔から野原や道ばたに生えている草木、台所に転がっている食材も漢方薬になるので、一般の人々が漢方の知識を持てば医療費の削減にもつながる」と明言されます。

竹村先生は、名古屋市立大学医学部に在籍され西洋医学を学ばれていたのですが、おりしも当時のアメリカ大統領ニクソン氏が訪中されたおりに同行したマスコ ミを通して、中国の「鍼麻酔」が世界に発信され衝撃を与えました。竹村先生も衝撃を受けた一人となり、将来は漢方を我が道と決められて、卒業後1976年 北里研究所附属東洋医学研究所へ入所されました。内科医局と東洋医局に所属されていましたが、内科の先生方には漢方薬など役に立たないと言われたほど、当 時はまだ漢方医学が認知されていませんでした。
北里研究所といえば、日本の細菌学の父とも呼ばれる北里柴三郎氏が、1914年(大正3)に創設された研究所であり日本での西洋医学のメッカでしたが、 1970年代日本医師会会長であった武見太郎氏は、「漢方は将来の日本の医療に役立つ」と、東洋医学研究所の開設に尽力され、1972年北里研究所附属東 洋医学総合研究所が開設されていました。

「蓬左クリニック」さんの診察は、患者さんとの問診の中で科学的な検査数値や患者さんの言葉を鵜呑みにするのではなく、五感を駆使して診察をされるそうです。

漢方医学では治療法を決定するためには「四診」が行われます。
 ・ 望診...肉眼による観察。体格、顔色、舌の状態など。
 ・ 聞診...聴覚、臭覚による観察。患者の声、咳の音、排泄物の臭いなど。
 ・ 問診...西洋医学と同様に家族歴、既往歴、現病歴を問う。全身状態の把握。
 ・ 切診...患者に触れて診察する。
これらの診察を通して、患者本人の申告や検査データに現れない病状を五感を駆使し客観的に診察します。
     
西洋医学では治療の選択肢がなくなった癌などの治療の選択肢として来院される方もあり、漢方と西洋医学とのすみ分けにより、現代医学単独治療より効果が得られる場合もあるそうです。

「漢方は担当医のもつ知識、経験によって処方が異なる」
「漢方は、治療手段にとどまらず医療哲学としてライフスタイルを変える力を持つ」 「生体の反応はすばらしいもの、常に新しい発見がある」
などの言葉には、深い知識と経験に裏付けされた力強さが感じられました。

     

     待合室に飾られている、ベトナム産の「桂皮」(ニッキ)
          
調剤室の棚には、330種もの生薬が整然と並んでいます。
中には「石膏(解熱作用、止渇作用)」など鉱物もあるそうです。
   

「蓬左クリニック」さんには、330種類の漢方薬が常に常備されているとのことでした。
漢方薬は、品質によって効果も効き具合も違ってくるため、漢文中文の書物を参考にしながら経験によって分量を加減するなどして調剤されます。
中国旅行のおみやげとして漢方薬を持ち帰る方が見えます。中国では朱色は高貴な色とされ丸薬の中には水銀の原材料となる朱砂が配合されている場合があるそ うです。また投与の分量も日本人の体に合わない過剰な量を調合される場合もあるとの注意をいただきました。お気をつけ下さい。

(文責、写真:尾関)


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