そして伝説へ・・・ – 南山常盤会

校長先生から届いた「母校のいま」

2023年3月31日

【山田利彦国際校校長】

そして伝説へ・・・

この世に存在するもので未来永劫、続くものはありません。
いよいよ南山国際高校・中学校(以下、南国)の最期を迎えました。杁中にあった国際部、豊田で始まった国際校を合わせた南国では、卒業生4,574名、40年の歴史に幕を下ろす時が来ました。
「南国がなくなる」の報道後、すぐに「廃校」という表現が人々から出ましたが、南山学園は一貫して「閉校」という表現に終始しました。すでに活動を停止している中学校も「休校」ですし、今回の高校の活動停止と同時に「閉校」となります。なぜ「廃校」ではないのか!? それは、南山学園は南国で培った帰国子女・外国人子女教育の英知を今後も南山学園全体において継続、発展させるからに他なりません。
南山学園最初の学校を築いた地(南山・みなみやま)を音読し、さらに中国、陝西 (せんせい) 省西安の南東にある山で、古来、詩によく詠まれた「終南山(しゅうなんざん)」の別名とも掛け合わせて生まれた「南山」。それこそ未来永劫続かんことを、と願いを込めて教育事業を始め、当時、どこも手をつけていなかった帰国子女のみを受け入れる学校を建設し、ここまで運営したことは日本教育界史上最大級の大英断であったと、諸先輩方の先見の明に改めて感服しております。
「人間の尊厳のために」
南山学園の教育理念ですが、そこに多大な労力、経済力が必要となる場合、実行するには強い信念(信仰)がなければできません。「一杯の水を飲ませる者は、必ずその報いを受ける(マルコ9:41)。」今まで南国の卒業生や関係者の輝く姿で、あり余る報いを受けてきました。
「イエスは復活したのでキリストである」ことを信じるキリスト教において「死」は「復活する」ための必要条件と言えます。そして復活したものだけが未来永劫存在できるとも言えます。
南国の閉校は、輝かしい将来の第一歩であると確信しております。

南山国際高校・中学校
校長   山田利彦

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