69人の出発! – 南山常盤会

校長先生から届いた「母校のいま」

2021年3月16日

【山田利彦国際校校長】

69人の出発!

 2021年3月6日に本校の卒業式が行われました。
 果たして、式当日までに緊急事態宣言は解除されるのか、クラスターは発生していないのか、本校関係者に陽性者は発生しないのか、様々な不安要素の中、無事に執り行われ一安心している次第です。
 実施するにあたり、保護者の参加人数を各家庭2名にし、在校生にも出席を辞退してもらうなど様々な制限がありましたが、晴天にも恵まれ、温かな雰囲気の中、卒業生を送り出せたことは感謝以外の何物でもありません。特に、今年も来賓としてご参列いただきました西脇正導会長には、この場をお借りして御礼申し上げます。
 人生の中で、最も大きく変化・成長する中高の6年間に関われる教員という仕事は、とても有意義で、かつ、責任ある仕事だと、卒業式の度に痛感いたします。6年前の、正に少年・少女だった彼らが心身ともに大きく成長し、今、この南国を旅立とうとするこの瞬間に立ち会う度に、毎回言葉では表現できない大きな「何か」を感じます。
 特にこの学年は、中学1年生の11月に「南山国際を閉校する」という、とてつもない大きなショックを受けた生徒たちです。事情をどのように説明しても、「それは大人の勝手だ」と言われたらそれまででしょう。しかし、2年後には南山国際高校へ進学することを決意し、やむを得なかった若干名以外が「南国で学ぶ」ことを選んでくれた時、どれほど教職員が感激したか、こちらも筆舌に尽くしがたいものがありました。
 教職員はそれぞれ、自らの能力や知性、経験を惜しみなく生徒たちへ注ぎ込んだつもりですが、果たして100% 完全に、良心的に受け入れられたかどうかは定かではありません。ただ、卒業生の言動・雰囲気のうちに、ある程度の確信が得られたのも事実です。「良い学校である」との評価は、そこで働く教職員自身の表現よりも、実際に学んだ生徒たちや保護者、その周囲の方々の評価の方がより強く、具体的に広まっていくと思います。
 彼らが成人する年に校舎が取り壊される予定です。しかし、それが「南国の消滅」を意味するのではなく、「南山学園」という大きな活動の輪の中に広がっていく一つのきっかけでありたいと思います。
 南国という「一つの学び舎」で請け負っていた「帰国子女・外国人子女教育」を、南山学園で担う活動内容の一つとして存続していくことで、南国生の南国愛を「南山愛」へと昇華させることができるでしょう。その具体的な表現としての常盤会の皆様には、今後ともご理解・ご協力を依頼させていただくかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 

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