MERRY CHRISTMAS! – 南山常盤会

校長先生から届いた「母校のいま」

2022年12月23日

【ヨセフ・ブルーノ・ダシオン校長】

MERRY CHRISTMAS!

常盤会のみなさん
MERRY CHRISTMAS!
 
母校の南山男子部と南山女子部では、2学期の終業式を迎えました。今年も両校の中学1年生のみが、カトリック南山教会にてそれぞれのクリスマス聖式を行いました。パイプオルガンの音色に彩られる祈りの中で、自分と仲間たちの命の大切さ、およびその命を守ってくれる多くの人々を思い起こす尊い時間でした。
 
この時期は、特に日本では、年末年始の楽しいお祝いであるクリスマスとお正月を迎える季節になります。
「特に日本では」と言いましたのは、日本以外の国では、12月から1月の半ばまでは、ずっとクリスマスを祝います。お正月はおまけです。つまり、日本では、クリスマスもお正月も大切にされているということです。
日本でクリスマスとお正月の両方を大切に祝うことは、季節的に考えた上でも、とても有意義なものになります。
厳しい冬の寒さの中で、家族・家庭中心のお祝いであるクリスマスとお正月は、私たちが最もいるべきところ、私たちの心や生活全体の基盤である家族・家庭・ファミリーに戻ることを呼びかけてくれるのです。
 
キリストの母マリアと養父のヨセフも、我が子の誕生を迎えるのは、やはり祖先のダビデの町、つまり、彼らのルーツのある場所です。家族・家庭は私たちのルーツのあるところ。
私たちが求めているあたたかいところ、心も体も癒してくれるところはいろいろあると思いますが、やはり家族が一番!
 
話が変わりますが、みなさんは、「リンゴの木と少年の話」を知っているでしょう。(別バージョンでは「大きな木と少年」)。
リンゴの木と少年はとても仲良しで、毎日一緒に遊んだり、いろいろな話をし合ったりします。青年になった少年は、ある日、リンゴの木のところにやってきて、「買い物がしてみたいからお小遣いをくれないかな」。
リンゴの木は、「わたしの実をもぎとって、町で売りなさい。そうすれば、お金が手に入る」。
何年か後に、大人になった少年は、リンゴの木のところにやってきて、「僕の家族が住める家がほしい」と言った。
木は、「わたしの枝を切って、それで家を建てなさい」と勧めた。青年は、その通りにしました。
何年か経ってから、また木のもとにやってきて、「小舟がほしい」とおねだりをします。
リンゴの木は、ためらわず、「わたしの太い幹を切り倒して、小舟をつくりなさい」。
とうとう切り株になってしまったリンゴの木は、彼にしてあげられるものは何も残っていないが、静かにその友の生活を祈りのうちに見守り続けるのです。
ある説によりますと、少年は歳をとり、その後、切り株になったリンゴの木をまた大きな木になるまで育てました。これが彼のリンゴの木への恩返しになります。
 
私たちが、安心して、そして無事に、今年の生活を送って来られたのは、家族・家庭の深い愛があること、また、社会という大家族の中の多くの人びとが力を貸してくれることのおかげがあるからです。
 
これから迎えるクリスマスとお正月のお祝いが、リンゴの木のように、日ごろ骨身を削る思いで支えてくれる、特に家族・家庭の人たちに、心のこもったありがとうと感謝の気持ちを伝える良い機会となりますように。
 
クリスマスツリーと門松のように、強い自分になり、他者を強く高めることができますように。クリスマスとお正月の飾りのように、自分の人生に花をつけ、他者の花が咲くように手を貸してあげてください。自分自身がクリスマスカードと年賀状になり、人々に励ましと幸いのメッセージを提供し続けますように。
 
益々寒くなっていきますので、体調にお気をつけて、風邪をひかずに、元気に家族とともに良いクリスマスと良いお正月をお過ごしください。
ご多幸を祈ります。
                                    ヨセフ・ブルーノ・ダシオン
 

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