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2026年5月17日

vol.210 川端 見子(G57)「金融経済教育と私 ~「お金の話」を学校でするということ」

 「お金の話」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。中には、「学校でお金の話をするなんて」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。「あの人はお金にきたない」「お金儲けの話ばかりでうんざりする」「投資、投資って、そんなに儲けたいのか」――お金にまつわる話には、どこかネガティブなイメージがつきまといがちです。ましてや、それを学校という教育の場で扱うことに抵抗を感じる方がいるのも理解できます。
 たしかに、学校で「投資のテクニック」や「お得な金融商品の紹介」をすることは、私もふさわしくないと考えています。しかし、「お金」そのものは、私たちが生きていくうえで欠かせないものです。お金にまつわる“断片的なイメージ”が独り歩きしているだけで、お金そのものが悪いわけではありません。子どもたちも社会に出れば、経済的に自立し、自分の力でお金を獲得していかなければなりません。社会で生きていく以上、「お金の話」を避けて通ることはできないのです。
 
 大学卒業後、私はお金で苦労した経験があります。将来設計のないまま司法試験の勉強を始め、塾講師のアルバイト代だけでは国民年金の支払いにも苦労する状況に直面し、夢や目標の実現にはお金の計画が欠かせないことを痛感しました。この経験こそが、ファイナンシャル・プランナーとして金融経済教育の普及に取り組む私の原点となりました。若い世代には、私と同じような思いをしてほしくない。だからこそ、学校では“流行りの投資商品”や“儲け話”ではなく、もっと根本的な「生きるための土台」としてのお金の話をすべきだと考えています。
 金利や経済状況によって、人気の投資商品や銘柄は常に変わります。そうした“流行り”を学校で教えることは、的外れでナンセンスです。必要であれば、そうした知識は大人になってからでも十分に身につけることができます。
 むしろ学校で伝えるべきなのは、
・ 社会と家計のつながり
・ 生活設計の考え方
・ 収入と支出のバランス
・ 契約や税金といった社会の仕組み
など、人生の基盤となる部分です。
 
 社会構造が急激に変化する今、「お金を知ること」は「生きる力そのもの」といえます。社会人になれば、経済的に自立し、税金を納めることで社会に参画していくことになります。その第一歩として、若い世代が“自分の未来を自分で選び取る力”を育むことが、金融経済教育の役割だと感じています。
 私はこれからも、「夢や目標の実現にはお金の計画が欠かせない」という信念を胸に、学校現場での金融経済教育の一端を担っていきたいと強く思っています。
 
 
■川端見子FP事務所代表
 
京都大学 教育学部教育社会学科卒業
南山大学大学院法務研究科法務専攻(ロースクール)修了
 
ライフプラン、キャリアプランと同様に、マネープランの大切さを伝えるファイナンシャル・プランナー(CFP(R)1級FP技能士)、金融経済教育家として、全国の学校や大学、企業などで講義や研修を行い、金融経済教育の普及に取り組んでいる。
 
 

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