vol.211 近藤 敬子(G28)「貴方が知らないけど知ってる雅楽」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2026年6月7日

vol.211 近藤 敬子(G28)「貴方が知らないけど知ってる雅楽」

 雅楽知ってる?と聞けば「神社で鳴ってる音楽」「東儀秀樹!」というのが一般のイメージだと思います。ハイ、正解。「なんだか遠い世界…」おっと残念、意外と近くにあるのですよ。今日は皆さんに「知らないだけで雅楽って実は身近」な話をしますね。
 
◆「打ち合わせ」
事前に相談する時などによく使いますね。実は雅楽から来ています。雅楽は管楽器、打楽器、弦楽器の三種で演奏されますが、指揮者がいないので合わせるのが難しい、そこで打楽器に合わせて拍子を取ります。「打」ち物に「合」わせる事から打ち合わせ、という言葉が出来ました。ちなみに西洋音楽でオーケストラが成立したのは17世紀と言われており、それに先立つこと平安時代(8世紀)に、すでにこの三種の楽器で合奏するスタイルが完成していた雅楽は、世界最古のオーケストラと言われています。
 
◆「コツをつかむ」
このコツって何でしょう?これは笙という楽器の「乞(こつ)」という音から来ています。笙とは雅楽で見かける竹が上向きに17本お椀にささったような楽器です。直接吹き口に息を出し入れして音を鳴らす楽器で、手元は全く見えません。指で竹の穴をふさいで音を出すのですが、「乞」の音は左手の薬指を一番遠くまで動かさないといけないので初心者には難しく、その音を出せるようになると「コツをつかんだ」になるのです。知らずに使っていると〇コちゃんに叱られますよ。
 
◆「二の句がつげない」
雅楽で歌物というジャンルがありますが、一句、二句、三句と三つのパートに分かれています、そして二句目は高音で始まるため、歌いにくく声が出ない事もある。そこから「あきれて言葉が出ない」という意味に転じました。
 
他にも「音頭」「あんばい」「やたら」「楽屋」「千秋楽」などなど、知らずに使っていますが、全部雅楽由来の言葉です。知らないだけでこんなに身近に雅楽があるのです。
 
雅楽はそれだけ長い歴史がある一方、戦乱の世に消えてしまう危機を何度も迎えました。そんな時に雅楽を守ってきたのが楽家(がっけ)の人々、現在もその一部が楽師として宮内庁で演奏をしており、26名の楽師全員が重要無形文化財保持者となっています。
 
こんな背景を知ると、実際の音にも触れてみたくなりませんか。 もし「ちょっと聴いてみたい」と思った方に、良い演奏会があります。 6月21日(日)、名古屋市東文化小劇場で、元宮内庁主席楽長・豊英秋氏が率いる「豊遊会」が開催されます。 全国で活躍する奏者が名古屋に集まる貴重な機会で、洋楽の演奏も予定されています。よかったら足を運んでみてください。 詳細はこのコラム下部にある「恩師・同窓生からのお知らせ」をごらんください。

プロフィール
近藤敬子(G28)旧姓 森井
華道 神宗流 副家元
岡崎高校 華道部指導講師
豊英秋氏直弟子の柴垣治樹氏に師事
雅楽にどっぷりハマって老後の趣味にすべく研鑽中

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