2026年7月31日
常盤会の皆様、こんにちは。日頃、それぞれの舞台で活躍されている先輩方の背中を追いかけながら、私は自動車シートの設計という現場で日々奮闘しております。本日は、私の仕事の相棒である「AI」と、南山女子部で過ごした日々とのつながりについて記します。
私は日常業務の中で、議事録作成をはじめ、グループワークでのアイデア出しから、複雑な業務改善ツールの設計、さらには検討プロセスの構造化に至るまで、幅広くAIを活用しております。AIは、私の思考を広げ、加速させる「頼れる助手」として活躍してくれています。
しかし、使えば使うほど痛感するのは「AIはあくまで道具に過ぎない」という事実です。AIが導き出す答えの良し悪しを判断し、それを現場の各課題へどう落とし込むのか。その成否を握るのは、利用者の「多様な視点」と、その視点を深掘りする「思考の質」です。
この感覚は、南山女子部での体育祭運営という、かけがえのない経験から得られたものだと確信しています。
前向きな一参加者として駆け回った中学1年生。少し醒めた目で全体を眺めていた中学2年生。アナウンス席から運営の裏側を覗き見た中学3年生。そして、全体を統括し各部門間を奔走した高校1年生、器具の運搬・管理を担いながら冷静なオブザーバーとして臨んだ高校2年生。立場が変わるごとに、同じ行事が全く別の景色に見えたことを鮮明に覚えています。あの時、私たちが培った「立場を変えて俯瞰する力」や「異なる視点から物事を捉える力」こそが、現在のAI活用において極めて重要な鍵となります。
現代のAIに対して「この視点ではどうか?」「この立場ならどう評価するか?」と、多角的な問い(壁打ち)を重ねることは、あの頃、体育祭という一つの目的に向かって、仲間と「どうすれば全員で最高の行事を作れるか」を悩み、対話を重ねたあの日々と重なるのです。一人で考えていた時には見えなかった課題も、多様な視点を持つ仲間との対話で解決の糸口が見つかったあの体験が、今の私のAI活用の根底にあります。
私の職場では現状、個人の業務範囲が主ですが、多岐にわたる幅広い経験と豊かな視点を持つ常盤会の皆様が、ご自身の専門領域でAIを活用されたら、一体どんな化学反応が生まれるのでしょうか。想像するだけで胸が躍ります。
私自身、これからもAIという道具を通じ、「南山でのあの経験」が今の時代にどう活きるのか、探求し続けたいと考えています。テクノロジーという新しい道具に、私たちの原点である「自立した視点」を掛け合わせることで、また新しい景色が見えてくる。これまで諸先輩方が築いてきた歴史の上に、私たちが新しい技術という彩りを添えることで、次の10年、70年がより豊かになるのではないか。そんな確かな手応えを、今、肌で感じています。
変化の激しい時代だからこそ、母校で培った「自ら問い、考え、動く」という精神は、より輝きを増していくはずです。各地で活躍される皆様と、いつかまた、それぞれの新しい挑戦について語り合える日を心から楽しみにしております。
プロフィール
秋田 理々香(G66)
南山高校卒業後、名工大にて機械工学を分野選択。現在はトヨタ紡織株式会社にてシートフレームの設計解析を担当。