vol. 133 クマール モニカ(K06)「子どもの、子どもによる、子どものため『教育』」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2018年8月29日

vol. 133 クマール モニカ(K06)「子どもの、子どもによる、子どものため『教育』」

 文言は完全にエイブラハム・リンカーンのパクリである。
唯一違うのは、「子どもによる」の子どもは誰かというと、実は教育を受ける当の本人の子どものことではなく大人のことを指している。
それについてはぜひ後半をお読みください。
 
 なぜ、どんなふうに教育が大切なのかをわかって生まれてくる子どもなんていないから、どう教育するかのブレーンを子どもに頼るのは間違い。そこは大人であるべきだと思う。
 ただ問題に感じるのは、かつて子どもだったことにあぐらをかいて大人が子どもを理解してると勘違いしてること。文科省のお達しだから・・とかじゃなく、子どもの将来を支える基盤になる教育って何か、それが見えていない。
  
時代は人生100年時代。
 今や65歳は長年勤めあげた会社を定年退職する年齢なだけであって、大半の人は働いた期間と同じ40年間をさてどう生きていくものやらと次に働く場所を探し続ける。
「某有名大学に入れば、某有名大企業に就職が決まれば、人生安泰。だから偏差値目指すのよ!」だなんて、世の中の流れを見極めないで現在の大人社会の成功事例を疑いもせずに子育て・教育に採用していてはマズいことこの上ない。
  
 さらに時代はグローバル化時代、AI化時代に本格的に突入した。
その単語は知ってます、ってことじゃなく、それってどういうことなのか、この先どうなっていくってことなのか、果たして世の中の大人は予測できているのだろうか。
子どもに与えるものの選択を見誤ったそのしわ寄せは子どもの人生にかかってくる。
子どもの幸せのために、とかいいながら大人の無知で子どもを「想定外の不幸」に落としたくない。聞かれれば皆そう言う。
  
 じゃあ、時代を先読みして本当に子どもの人生の糧になる教育してあげましょうよ!
これが私のスタンス。
 
 「ところで君、エラソーなことを言うけれど、子どもを理解していると言えるのかね?」
そんなお叱りを受けそうだ。
  
 そこで後半戦。
「子どもによる」の子どもの正体の大人は大人一般ではなく「子ども目線をもち続けている大人」、むしろ私自身のこと。
  
 ええ加減大人ではありますが、ほかの大人と何が違うってココが違う。
私の子育てキャリアは、12歳下の弟が生まれたときにスタートした。
「キャリア」というからには遊んであげたとか、おむつを替えた程度のことではない。
ある部分で類まれな良さをもつ反面、残念ながら「産んだ子どもを育て上げる」という興味とセンスに欠けた両親なので、しつけも家庭教育も一切しないのに珍しく子ども心を案じてとった行動は完全に裏目に出て無責任感、相手を思いやらない心、横柄さを育んじゃった・・を散々見てきた。
  
 言葉遣いや敬語や箸の持ち方など生活に必要なスキルを、ありがたいことに周囲の人を観察することで自前で身につけてきた私にとって、弟の子育ての精神的な部分は親に任せられない、割り込まなくちゃ!と小学生ながら思った。事実、大人でないとこなせない役割以外、子育ての90%以上を姉とやった。
以降、家族・親戚・友人・知人・教育機関で子育て・教育問題にかかわり続けて四半世紀。「私、子どもがスキなんです!」を超えて、これは立派なキャリアだと自負している。
  
子どものための子どもの教育。
 一番観察力を研ぎ澄ませて取り組んできた、「大人のワンアクションが後々子どもにどう影響するか」という研究テーマ(大切だけれど、悲しいかな、悪い影響を感知する方が得意)を、例えば今どき一層盛んになっている英語教育に当てはめてみる。
文科省の教育方針が変わったから‥以前に今の子どもは私たちの時代のように「大学までやり切れば・・ふぅ、もう英語で苦労しなくていいんだ」なマインドでは確実に仕事をとっていけない、生きていけない。他にもっと大きい理由はあるが、国内大手企業の社内公用語が英語へシフトする動きを見てもこれは明らか。
「なぜ」英語が必要なのか今の親はわかって子どもを習い事させているのかな?答えはYESとは言い切れない。それをする根拠が不在で単に流れにのっかているだけというのも多いから。
そしてここが大事。親は口で応援しながら、あるワンアクションで、無意識に子どものヤル気の足を引っ張ってる。
なんのことかわかりますか?
「いいの私は、英語できないから!」のヤダヤダオーラをまき散らす親に、感度の高い子どもは無言のメッセージを強烈に受けとって、そして本人は気づいていないけれど心はこう働く。「なんで親が嫌がって逃げるものに自分は一生懸命取り組まないといけないの?」普段全然使わないのに。
最も生活に即していない教科の英語を学ぶ大変さを知りながら、応援はしてるけどその学習意欲を著しく邪魔しているのは他でもない親なんです!
 
 親の背中は見られています。
「何を言って育てたか、じゃなく、何を見せて育てたか」
子どもは柔軟だ、感受性が高い、の要素は「与えられた学習教材」へではなく、親の背中観察の方により発揮されていますョ。
  
【プロフィール】
クマール モニカ (K06/1999. 3月卒/南山国際豊田校舎しか知らない最初の学年)
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スパークパートナーズ(株)エデュケア事業部統括マネージャー
Moni Creative Educare (モニ クリエイティブ エデュケア)主宰
私立幼稚園(名古屋市)5園の英語教室専任講師
 
ネイティブ講師もビックリ!大学英語講義でのスピーチで、学生の“英語学習意欲と
人生へのヤル気”を一変させた経験をもつ。
“日本国内のグローバル化”に日本の日本人がついていけてない現実が心配でたまらない!
愛のムチで多くの実例を突きつけてヤル気に火をつけるのが得意。
 
大学受験の影響のない“現役大学生”と“子育てに関わる大人”にフォーカスして
日本の子育てと(英語)教育の盲点に国際的視点から切り込む、意識改革の仕掛け人。
アイデアフルな英語レッスン他、グローバル化、AI化時代に即したタイムリーな
子育て・(英語)教育の研究、指導や講演などを行う。
名古屋出身。6人姉弟のまとめ役。
 
□Webサイト:https://ameblo.jp/monicreativeeducare/
□Facebookページ:https://m.facebook.com/monicreativeeducare/
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