2009/4 株式会社ハタヤリミテッド – Nanzan Tokiwakai Web
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南山タウンに広告掲載されているお店や会社の訪問記

2009年4月24日

2009/4 株式会社ハタヤリミテッド

みなさまは「コードリール」をご存知でしょうか?一般家庭では、耳慣れない言葉ですが、「コード」は配線。「リール」は、巻き取り、またはその器具を意味 し、「コードリール」とは、いわば、遠隔の電源から電気をとるための、巻き取り器機つき延長コードと言えばよいでしょうか。

その製造・販売の国内マーケットシェア60〜70%を誇るトップ企業が、名古屋市中区大須に本社ビルを構える「株式会社 ハタヤリミテッド」さんです。専務の足立悠輔氏は、足立恵子さん(G12)のご主人です。

「ハタヤグループ」は、1918年に創業し、リール類や作業機器の製造部門である「(株)畑屋製作所」と、販売およびアフターサービスを受け持つ 「(株)ハタヤリミテッド」、そして工業用自動巻リールの専門メーカーである「ハタヤオーケーエス(株)」の3社で構成されています。


「(株)ハタヤリミテッド」本社
名古屋市中区大須四丁目10番90
TEL(052)261-3821(代表)


「(株)畑屋製作所」
本社は名古屋市瑞穂区浮島町12番24
写真は 岐阜工場


「ハタヤオーケーエス(株)」製の自動巻リールはレインボーブリッジ、東京湾横断道路トンネル工事、名古屋ドーム施設等でも活躍。


「(株)ハタヤリミテッド」本社内部
営業・企画・輸入業務の窓口
英国BS規格配線器具国内総販売元

では、この「ハタヤリミテッド」の「コードリール」が、日本一になるワケ、その秘密は、いったい、どこにあるのでしょうか。

悠輔氏のお父さま・創業者の足立虎雄氏が、自転車修理工具の製造・販売の「合名会社 畑屋機械店」を立ち上げたのは、大正7年のこと。当時の工具市場に は、国産品はほとんどなく、金槌(かなづち)・奴床(やっとこ)・くぎ抜き・ねじまわし等が、その代表的なもので、スパナ・レンチといった優れた工具は、 欧米品に依存する時代でした。とくに手動工具で需要の多かったのは、自転車の組み立て工具でしたが、それに着目した虎雄氏は、特殊なサイズや用途向けの自 転車修理工具を次々と考案し、数々の特許をもとに国内市場をほぼ独占するまでに至ります。


愛知県長久手のトヨタ博物館には当時の「ハタヤ製自転車工具」が今も展示されています。「修理店の要望をとりいれた使いやすく耐久性ある工具が人気のトップメーカー」と紹介されています。


昭和28年に製作された当時のカラー印刷を複製した「畑屋製工具」のカタログ復刻版。「最良の品質・最古の歴史」の製品ひとつひとつが、図解で説明されています。

日本が「自転車の時代」から「自動車全盛期」に移る頃、昭和29年、株式組織になった「畑屋工機株式会社」も、自動二輪、自動車用の機械工具を手がけるよ うになります。そして、高度成長期に入り、土木・建築業界に電動工具が導入され始めると、いち早く「コードリール」の開発・生産に取りくみます。

昭和46年、製造部門を「株式会社 畑屋製作所」として分離設立。
「漏電遮断機付き」を始めとする種々の「コードリール」のほか、コード以外のリールである「エヤーリール」「ホースリール」、さらには「作業用照明器具」の生産も進めます。

ベストセラー商品「サンタイガーリール」に代表されるハタヤ製の「コードリール」と、すべてのハタヤ製品の特長は、「安全性」と「使いやすさ」にあります。


ベストセラー商品「サンタイガーリール」はコンセント防塵キャップ付き。油やホコリによる火災や故障を防ぎます。


「VCTソフトンケーブル」採用。厳冬での作業、寒さで硬くなるケーブルをソフトな材質で扱いやすくし、作業の効率を高めます。


漏電・感電を未然に防ぐ「漏電遮断器付き」リール。絶縁樹脂ドラム採用で雨の現場事故や人体への被害を回避します。特長別にリールが色分けされています。


「ステンノホースリール」は東山植物園でも使用されています。すべてのハタヤ製品にHATAYAの刻印があります。それは創業時の自転車工具から現在まで変わることはありません

社名を現在の「株式会社ハタヤリミテッド」に変更した平成3年以降は、全国に拠点を拡げ、業界ユーザーにハタヤ製品の”安全神話”が浸透していきます。 「ブレーカー付き」や、温度の過上昇を防ぐ「サーモカット内蔵型」、「感電レス型」など、次々、安全度を高める「至れり尽くせり」の製品を生み出して、ト ヨタ自動車など各業界、国内外からの絶大な信頼を得ています。家庭用のコンパクトなリールから、直径3メートルを超える業務用まで、一企業で製造販売して いるのは、世界でただひとつ「ハタヤ」だけです。

最近では、工事現場のコードリール以外にも、さまざまな場面でハタヤ製品が活躍しています。


NHK「おはよう日本」
ニュース画面。
キャスターの背後に写る丸くて赤い
物体の正体は・・・・?


その名もPLUGO。2006年グッドデザイン賞受賞家庭用コンセントタップ。monos社のOEM製品。技術はハタヤ。(OEM: 0riginal Electrical Manufacturingの略。ブランド製品を注文されて技術開発すること)


ハタヤ製「フローレンライト」は災害時のエアテントの備蓄品に行政の防災用としても使用されています。防雨・アース不要・省エネ・瞬時点灯・連結点灯可能のオールマイティ。


映画「感染列島」の災害シーンでもハタヤ製「フローレンライト」の映像が登場しています。(写真は映画とは関係ありません)

こうした、時代が求める機能とデザインの追求は、先代が、求めて止まなかった「適材の選択」「豊かな経験」「絶えざる研究心」「神技の熱処理」が、今もなお息づいているからといえるでしょう。

「コードリール」業界トップの秘密は、こうした「品質の良さ」はもちろん、「企業理念」にもあるようです。悠輔氏が、メーカーとしての姿勢を語ってくださいました。

〜安全と使いやすさ〜
「家庭用の場合は、年配者にも分かりやすくということを心がけ、プロ用の場合であっても、アマチュアにも分かるような設計をしています」

〜ブランドに対する責任〜
「客からクレームがあった場合、日本全国どこでも、翌日の夕方までには最寄りの営業所から現地に出向き、話を聞くということを、40年以上にわたって実行しています。
自社のブランド名をつけている以上、責任があり、製品は自分の子供と同じという考えにもとづいています。だから愛着をもって長く使ってもらいたいし、できるだけ安く修理をして、買い替えはこちらからは勧めません。
これも創業者の精神を受け継いでいるのです」

ここに、創業者の言葉をお伝えしましょう。
「凡そ発明は、それがよし如何に簡単なものであっても
精、物両面に非常なる犠牲と苦心ならびに努力を
要する事は申すまでもなく
発明家、考案家なるものの辛苦の代償は、物欲でもなく
清純なる満足感・征服感の醍醐味以外には
何物をも欲しないのであります。」
昭和28年 輪業工具考案者 (株)畑屋製作所社長 足立虎雄
最後に、もうひとつ感激したことをお話しましょう。それは、ハタヤ製品の「色」の美しさ。国産品の工具や実用品といえば、味気ないものが多く、仕事をする にも気持ちが沈みがちなこともありました。でも、ハタヤ製のピンク色のホース。ひまわり色のコードリール。こんなに楽しくて明るい工具に励まされたら、 「今日も一日、がんばろう!」と思えそうです。人間の深層心理にはたらきかける色彩効果も備えたハタヤ製品には、「安心」と共に、私たちに「元気」や「働 く活力」をも贈ってくれる魔力があるようです。

(株)ハタヤリミテッドさんからのプレゼント

「オートマッキー」3個と「マッキュリィ」7個です。
これらの「自動巻 家庭用コードリール」は、長くからんだコードのイライラを解消してくれます。


オートマッキー
(家庭用自動巻リール)
5メートルタイプ・質量0.73kg
サーモカット内蔵+自動復帰型 マッキュリィ(家庭用自動巻リール)


2メートルタイプ・質量0.31kg
コードを全て引き出すとコンセントカバーが開いて使用できる安全重視構造

ご希望の方は常盤会事務局まで
南山常盤会
TEL 052-833-6146 FAX 052-833-6117  E-Mail  tokiwakai@ic.nanzan-u.ac.jp (事務局に取りに来られる方に限らせていただきます。希望者が多い場合は先着順。)

では、悠輔氏の奥さま・足立恵子さん(G12)をご紹介いたしましょう。


足立 恵子さん G12
南山大学外国語学部 英米学科卒


「落ちこぼれ主婦シリーズ」はH.2〜H.19に全6巻。5冊目の「落ちこぼれ主婦のコラムもよろしく」は、地域情報紙瑞穂フォーラムのコラム欄「山崎川」(H.15 1月〜18年5月掲載)をまとめたもの。今年3月迄は同紙エッセイ「落ちこぼれ主婦のあらまあの記」連載

足立恵子さんといえば、「落ちこぼれ主婦」シリーズや、中日新聞 瑞穂フォーラム紙上の軽妙な文章と、独自の視点が人気のエッセイストです。

子育ての一段落した40代、「お昼間、何してるの?」と聞かれ「何もしていない」と答えるのにも抵抗を感じるようになっていた頃。「本でも作ろうか なぁ」と。「自費出版なら、下手でも、だれにも文句、言われないでしょ。発表会のような感じかしら?」・・・こうして「落ちこぼれ主婦」シリーズは誕生し ました。

何でもない日々の、やり過ごしてしまいそうな事がらを、痛快にまとめるのが足立流です。

また、常盤会の広報部では、春秋2回発行される常盤会会報のインタビュアーとしても活躍されています。会報を書くにあたって気をつけていらっしゃるのは 「わかりやすく、面白いこと」だそう。「いくら高尚なことを書いても、読んでいただけなくては意味がない。広く知られていることよりも、会報ならではの楽 しいエピソードなどを聞き出して、みなさまにお伝えしたい」。温かいお人柄に、慕う後輩たちが多いのも うなずけます。

取材:塩野崎 佳子&阿部 正子

資料提供:(株)ハタヤリミテッド

企画室 北原ちえこ さん

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