2015/12 株式会社 荒木海苔店 – Nanzan Tokiwakai Web
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南山タウンに広告掲載されているお店や会社の訪問記

2015年12月24日

2015/12 株式会社 荒木海苔店

今回は名古屋堀川沿い、錦橋西詰を北へ上がったすぐの老舗店「荒木海苔店」さんをお訪ねしました。
出迎えて下さったのは3代目ご主人、荒木幸男さん(S38)。「この名古屋に店を構えてからは祖父から数えて3代目ですが、実は創業地桑名での「荒木商店」から数えると8代目になります」。

店頭で明るく出迎えてくださった荒木幸男さん(S38)

伊勢湾は木曽三川から豊かな栄養が流れ込み、良質な海苔が獲れる国内有数の漁場。そうした伊勢湾産の取扱いから創業し、現在は有明産や兵庫県・瀬戸内産・千葉県産等、全国各地の漁港で行われる「海苔の入札」を駆け回りながら、荒木さん自らの目利きで落札した極上の海苔を、一枚一枚焼き立てで直接工場からお届けしているとのこと。
「この仕事は、1年分の販売量をわずか3か月の新海苔入札期に仕入れるため、目利きの力が最も大切なんです。見た目、食感、香り、口溶け具合等、様々な海苔の個性を確かめながら”これはあのお寿司屋さんが喜びそう””これはあの小売り店さんに”と、お客様の顔を浮かべながら仕入れています」。
一言でこの仕事を言い表すなら、「海苔のソムリエ」。そう表現する荒木さんだが、長い修行経験ののち、お父様から社長職を継がれたのは今から11年前のことだそう。
「ある意味、いい時に代替わりさせていただいたと思っています。自分の代となってからは、さらに色んな挑戦を自由にさせてもらえましたから」。


店頭ショーウィンドウにずらり勢ぞろいした「のり子さんシリーズ」

いまやお店の屋号を凌ぐ勢いで知名度が上がっているのが、荒木さんご自身が開発された「のり子さんシリーズ」。テレビや雑誌で取材依頼の絶えない大人気商品であるが、こうした斬新な商品開発が実現したのは、8代にも及ぶ長い伝統にもとらわれることのない、自由な発想力があってのことと推察がつく。
遊び心あふれるネーミングとパッケージもインパクト満点であるが、それ以上に驚くのは、海苔にこれほど多彩な味わい方があったのかという発見。
「海苔の奥深い個性を知り尽くしていくうちに、既存の販路以外にも、もっと多くのお客さんに美味しい海苔の楽しみ方をお勧めしたくなったんです」小売りに踏み切った理由をそう語りながら、「おかげさまで、遠い親族や知人友人をはじめ、全国各地に力を貸してくれる方々がいらっしゃるからこそできる仕事ですね」そう明るく笑う。誰からも好かれる明るいキャラクターが、自然に人を味方につけてしまう、そんな人懐っこさがとても印象的だ。


「名古屋嬢ふりかけのり子さん」は第20回水産庁長官賞を受賞した実力派!

南山時代は柔道部に明け暮れ、県大会にも初出場。当時の部員仲間ともいまでも交流が盛んで、顧問の田上秀丸先生を囲んで毎年集まっているとのこと。中でも同級生部員で、珍しい和紙糸製品を製造直販されている伊藤安則さん(S38)とは、お互いの店舗スペースを交互に活用しながら合同で特売セールを続けていらっしゃる程の仲。
「ちょうど海苔の入れ替わり時期ということもあって始めた試みなんですが、お互いに刺激を受けながら楽しくやらせていただいていますね。これも大切なご縁だと感じています」
人と人の縁を大切にしながら、話題はさらにこの先への”思い”へと向かう。


取材中は終始にこやかな笑顔で、熱い「海苔トーク」を炸裂!

「いま、様々な名古屋メシ関連の方々が集まる場にも積極的に参加しています。名古屋メシって、水溶性の繊維質のものが皆無でしょ。胃で消化されずに腸まで届く健康メニューが1つくらいあっても面白んじゃないかと思って、色々と楽しく思考を巡らせているところです」
海苔を愛し、海苔の新しい楽しみ方を知ってもらうことに余念がない姿は、まさに海苔のソムリエ。これまで誰も想像さえしなかった奇抜な出会いを、これからも絶え間なく生みだしていただけそうだ。
(取材・文/写真:加藤順平)

株式会社荒木海苔店

名古屋市中村区名駅5丁目21-6
052-582-0006
営業時間 8:30-17:30
定休日 第2・第4水曜日と日・祝日
名古屋駅より徒歩7分/国際センタービル駅より徒歩3分

株式会社荒木海苔店公式サイト

南山タウン「荒木海苔店」

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