vol. 101 伊藤 勝人先生 (女子部旧職員)「燃え尽き症候群」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2015年6月26日

vol. 101 伊藤 勝人先生 (女子部旧職員)「燃え尽き症候群」

 南山で教えるのを辞めて3年が経ちます。南山での教員生活は苦労もありましたが、
どちらかといえば、楽しく充実した毎日でした。西神父との出会いをはじめ、
諸先生方との交わりを通じて学ばせて戴いたこと、授業を熱心に聞いてくれた生徒
たち、また、物理は好きになれなかったという生徒が、物理準備室にやって来て、
人生相談?もやったこと。その一つひとつが懐かしい思い出です。
 
 ところで、今まで、教師という職業に生きがいを感じていて、退職という現実に
直面すると、あと何をしていいのか分からなくなってしまう「燃え尽き症候群」に
なるという話を聞いていたので、そうなってはたまらんと考えていた時、たまたま、
誘われて「朗読会」に参加することになりました。
 
 私は、高校で演劇部、大学では学生劇団に所属していました。南山では40年間、
演劇部顧問でしたから、「朗読」など、その延長線上で考えれば、そんなに難しい
ことではないと思われるかもしれません。しかし、教えることと、自分がやることとは
全く別物です。文章の内容が理解できても、それをどう表現するか、朗読を聴く人に、
どう伝えるのか、それを自分の声でやるのですから、大変です。

 しかし、考えてみると、教師という職業は主に言葉を使って授業をするのですから、
毎日「朗読」の実践をしていたことにもなります。ということは、授業の内容は
ともかく、それを伝える言葉と、技術としての表現方法に、無頓着であったことに
気付かされました。もっとも、私は現役時代に、授業は「ドラマ」だという考えは
持っていましたから、筋書きとしての起承転結は心得ていたつもりですが、その
表現方法まで、心が至らなかったということです。今更ながら恥ずかしい限りです。
 
 朗読の練習では、アクセント・間の取り方・読むテンポなどを互いに指摘し合い
ながら読み進めます。中でも、その言葉に続く助詞によってアクセントの位置が
変わってくる言葉に四苦八苦していますが、日々発見があり、少しばかり進歩も
実感でき充実しています。
 
 2013年1月から活動を始めて、まだ2年余りですが、その間に、定期発表会4回・
南山女子部と聖霊中学で、中3向けの朗読劇「あの夏の記憶1945」の発表会4回と、
精力的に活動をしてきました。特に、南山・聖霊での朗読劇は生徒たちが50分間、
真剣に聞いてくれて嬉しい限りでした。今年は、1月に南山での上演、4月の定期
発表会、5月には日進市の社会福祉施設での朗読会と続いて、6月にも予定が入って
おり、その準備に追われています。
 
 ここ当分、「燃え尽き症候群」とは縁がなさそうです。

伊藤勝人先生 プロフィール
 
1969年4月       南山女子部就職
1974年4月~1976年3月 生徒会顧問
1989年4月~1992年3月 指導部長(3年間)
1992年4月~2004年3月 教頭  (12年間)
2009年3月       定年退職
2009年4月~2012年3月 女子部非常勤講師 
            (43年間女子部に在籍)

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