vol. 104 森本 紳一郎(S19)「南イタリアを同級生7名と訪ねてー世界遺産12ヶ所を巡ってー」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2015年10月26日

vol. 104 森本 紳一郎(S19)「南イタリアを同級生7名と訪ねてー世界遺産12ヶ所を巡ってー」

 北イタリアを旅行することはあっても、シチリア島を含む南イタリアを旅する
機会にはなかなか恵まれない。私たち同級生7名(小原洋一、加藤宣司、清水英一、
鈴木松夫、竹居信一、田中耕一郎、森本)はその機会を得、3週間で世界遺産12ヶ所を
訪ねることができたので、その概略を述べたい。今回はいわゆるパック旅行ではなく、
旅行会社を通じて、フライトとホテルのみを予め押さえて、現地で列車、バスを乗り
継いでの旅であり、相当のエネルギーと体力を要した。ちなみに連日15,000から
20,000歩ほど歩いた。これを聞いた家内はまるで罰ゲームねと・・。
 
 先ずは、ローマよりバーリに飛び、そこを起点に世界遺産12ヶ所を訪ねた。
1.カルテル・デルモンテ、2.アルベロベッロのトゥルッリ(真っ白な壁に、灰色の
円錐形屋根を持つ建物)、3.マテーラのサッシ(セピア色の洞窟住宅)、
4.カターニャ(後期のバロック都市)、5.シラクーサ(美しい古代都市)、
6.タオルミーナ(青く輝くイオニア海とエトナ山を一望する風光明媚な保養地)、
7.アグリジェンドの考古学地域(古代ギリシャの神殿群が集中)、8.ナポリ
(歴史地区)、9.アマルフィ海岸、10.ポンペイ(遺跡地区)、11.フィレンチェ
(歴史地区)、12.ローマ(歴史地区)などであるが、これ以外にもカプリ島
(青の洞窟)も素晴らしかった。どこがよかったか個々に違うと思うが、私個人は
ソレントからアマルフィまでのアマルフィ海岸の船からの眺めが、最高に素晴らし
かったと感じている。世界で最も美しい海岸線の一つと言われているが、入り組んだ
岸壁の下には透き通る碧い海が広がり、谷間の段々畑ではレモンやオリーブの木が風に
そよいでいた。またアグリジェンドの壮大な古代ギリシャの神殿群には驚かされた。
そしてカプリ島の青の洞窟は不思議な青い光で満たされていた。ボートが洞窟を一周
するのはせいぜい4~5分であるが、一瞬で脳裏に焼きつくほど美しい空間であった。
 
 イタリア・バロック絵画の巨匠カラバッジョ(1571年生まれ)は無頼と放蕩の末に、
南イタリアへ逃亡し、その先々で素晴らしい絵画を残しており、シラクーサ、ナポリ、
フィレンツェ(ウフィツィ美術館)などで8点の絵画を鑑賞することができた。
写実的な描写と劇的な明暗の対比の絵画は素晴らしく、美術館や教会探しの疲れを
吹き飛ばしてくれた。
 ウフィツィ美術館で、入館待ちで並んでいたところ、クラスメートの小笠原政則君
夫妻(奥様はG14)に遭遇した。この偶然には驚かされた。夜は夜で眠い目をこすり
ながら、オペラ(フィガロの結婚)、カンツォーネ、オーケストラによる音楽鑑賞
などを楽しんだ。連日美味しいワイン、パスタとジェラードをいただき、本当に
充実した3週間であった。ただし最後には、パスタは食傷気味であったが・・・。
 
 皆さん驚かれるのはこの総額費用である。3週間の日程で、往復はビジネスクラス
で、飲食代、チップなど全て含めて、一人78万円ですんだことである。しかし、これも
旅行会社と粘り強く交渉してくれた小原君の尽力のたまものである。イタリアでは
スリに注意しろとよく言われるが、私たちも3週間で未遂を含めるとスリに7回
あった。一番の被害は、二人組によるネックレスのひったくりであるが、これは
2万円程度の磁気ネックレスであり笑い話ですんだ。今後、イタリアを旅行する時は
やはりスリに注意である。

 紙数の制限もあり、南イタリアの素晴らしさを述べ尽くすことはできず、皆様方にも
是非ともいらっしゃっていただきたいと思います。

森本紳一郎 プロフィール
1974年 岩手医科大学 医学部卒業
2003年 藤田保健衛生大学 医学部循環器内科 教授
2013年 総合青山病院 院長
2015年 藤田保健衛生大学 医学部 客員教授
現在はスキューバーダイビングと旅行三昧

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