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2016年3月28日

vol. 108 クマール モニカ(K06)「南国(なんこく )ライフをより充実したものにするために」

 「毎年1学年ずつ減って寂しくなっていく在校生の南山国際ライフを卒業生の力で盛り上げてほしい」。
昨年暮れにFacebookから姉がキャッチした先輩だらけの同窓会に飛び入りで出席したとき、その〆のスピーチで奥村先生が熱い想いを込めて言った言葉です。「それを皆で考える『とっかかり』になる2月13日の『アルマ・マーテル総会』の存在をできる限り仲間に伝え、ぜひ参加してほしい」と。
 
 私の母校との最近の関わりは薄く、同級生と小さな集まりを企画するくらいで文化祭にも長らく行っていませんでした。他にやりたいことがありすぎて時間が足りないくらいなので、自分の今の生活場所ではない南山国際に意識が向いていなかったというのが事実です。けれど、奥村先生の熱い言葉によって「南国ファミリーとして一肌脱いでやろうじゃないか!」という気持ちが沸き起こってきました。
だって、大事な大事な母校だもんね☆
 
 この「大事な大事な母校」という表現、ほとんどの南山国際生も共感してくれることでしょう。皆さん、人生において小学校、(他の)中学校、専門学校とか大学・・と、どこかしら通ってきちんと卒業を果たした学校があるはずですが、気持ちにおいて「母校」と認める学校No.1に選ぶのはきっと南山国際でしょう!間違いなく!!
 
 私は、ほとんどの生徒が帰国子女という理由で南山国際に来たのと違い、外国籍という立場からここの入学を決めました。
なぜか。
それは、今総会で在校生代表としての想いを伝えてくれた生徒会副会長の言葉によく表れていました。全校生徒にアンケートしてまでみんなの気持ちをまとめ上げた本当に素晴らしいスピーチでした。「南山国際が日本の学校生活に馴染む大変さを受け入れてくれた」。
 
 つまり、南山国際人(現役・卒業生・もちろん先生含む)の辞書に「偏見」という文字がないんです。人はそれぞれ違うんだ、ということに対して非常に理解がある。
その点が私たちにはとてつもなく嬉しく、そしてありがたい。
帰国子女と呼ばれる人たちは海外生活の間に人種・言語・文化・・いろいろな”違う”ものを経験して戻ってきます。”違う”ことに対しての許容範囲がとても広い。
反対に、人生を日本でだけ過ごしている人は、本人が自覚しているほど異なるものへの理解度は深くないと感じます。皆同じでなくてはいけない風潮の日本的学生生活に帰国子女が馴染めるわけがありません。
 
 私は日本で(むしろ名古屋で)生まれて育って海外生活はこれっぽっちも経験がありませんが、外見や感性が日本的すぎることもなかったので、なんだかしっくりこないなぁという感覚が常にどこかにありました。体がいつも一番大きかったから、子ども同士の問題ならば、やられたらすぐやり返していて、あれがいわゆるイジメだったらしいことは大人になってから気づきましたが(笑)。どちらにしても、年子の姉とともに気分よく小学校生活を過ごしていなかったようで、心配した親が南山国際の存在を知り入学する運びとなりました。
 
 帰国後、普通の日本の学校に行ってみて、のちに南山国際に行き直した方も多いと思います。
帰国子女は、海外で、はたまた帰国してからも苦労をしているけれど、おかげさまで十代で”オープンマインド”というグローバルなセンスをゲットしちゃってる。他に「国際校」という形態を持つ学校はたくさんあるけれど、センスという部分でも国際的なのは南山国際だけだと思う。だからみんな安心して南山国際を選ぶんじゃない??
 
 アンケートの生の声の中に「南山国際がなくなると他に帰る場所がなくなってしまう」とありました。そう思わせるくらい生徒一人一人の個性という”違い”を温かく迎え、いつも私たちの心のHomeでいてくれた南山国際。未来の帰国子女たちのことを考えるとき、そんな素晴らしい学び舎がなくなってしまうのは母校の思い出を偲ぶ以上に心苦しく残念です。
 
 が、しかし!残された時間を名残惜しんでる場合ではありません。私の学年は南山国際を18の歳で卒業し、この4月に卒業後18年目を迎えます。体感時間・・それこそあっという間です!閉校まで7年くらいしかないゾ、我が校現役生諸君!のんびりしているヒマはない!!
冒頭の目的、「卒業生の力で南山国際を盛り上げる」ために今、少しずつですが内々で動き始めています。ただ、ちょっと煮詰まってきました。自分たち目線のアイデアはちょこちょこ出てくるのですが、それが現役生を盛り上げることにつながるのか、現役生の気持ちをスルーして卒業生だけで盛り上がってしまうんじゃないか。迷いが出てきました。
 
 ここからは現役生たちへのメッセージを込めたいと思います。卒業後に会員になる常盤会のサイトNanzan Tokiwakai Webが実はけっこう面白いことに最近気づき、卒業前からぜひ知ってもらいたいなという宣伝も含めて(笑)。
 
 今この状況下で在校生を応援しようと動いてくれるアツい先輩は確実にいます。
けれど本来の主役はあなたたち。
あなたたちの南国ライフを盛り上げるためにやりたいことはなんですか?
その中で精いっぱい頑張っても在校生の力では実現しきれないことはなんですか?
 
 Nanzan Tokiwakai Webに紹介されていたり、コメントを寄せていたりする先輩は女子部・男子部出身の方が圧倒的に多いですが、世の中にはこんないろいろな活動をしている大人たちがいるんだ、ということをこのサイトから学び取ることができます。
直接の先輩・国際校の卒業生でどんなことをやっている人がいるのかは先生方からも聞くことができるでしょう。
どんなことをしている先輩に何をサポートしてもらってどんなことを実現したいですか?
また、何を実現するためにどういう特技のある先輩を探し出して手伝ってほしいですか?
 
 自分たちの学生生活の充実具合を自分たちの力でバージョンアップしてください。
あなたたちの希望することをリサーチして私たちだけで勝手に実現することはもちろんできます。けれど、自分たちで知恵を出し合ってゼロから全く新しいことを起こすという経験を、卒業生を巻き込んで社会人プロジェクトのように活動してみる奇抜な経験を、ぜひこの機会を生かしてやってみてください。自分たちの力をふり絞ってください。卒業生に丸投げするのはラクですが、あなたたちには何も残りません。
実際に手がけた人だけが何かしらの知識・経験・人脈・信用などなど得ることができます。どうぞ、それを人に譲らず自分たちのものにしてください。ゆっくりでも確実に先の人生に生きるはずだから。
“違う”ことに寛容な南国生だからこそ、前例のない多少ムチャなことにぜひ挑戦してもらいたい!!!一緒にがんばろ~☆☆☆
 
 
クマール モニカ(K06)
 
93年4月  南山国際中学校入学。校舎が豊田に移って最初の新入生となる。
96年4月  他を受験する気はなくそのまま南山国際高等学校に進学。
96年11月頃 生徒会選挙演説で「クリスマスパーティーをやる!」という公約を掲げて生徒会長に。
      先生に反対されサポートの薄い中、中学生徒会と力を合わせて公約を守りきり大成功!!
99年4月  南山大学文学部哲学科に入学。生き物が好きで命の尊さをテーマにする生命倫理が学びたくて。
03年3月  「生命倫理は応用哲学だから基本をやりなさい」と言われる中、
      一人頑固に奮闘して生命倫理に関する論文を仕上げ、無事卒業。
現在    貿易関係の会社で事務兼幼稚園への派遣英語教師として働きながらたくさんの趣味にも挑戦中。
      (乗馬、生け花、バイオリンなど)

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