vol. 29 近藤 雅広神父様(S10)南山産和尚の「告白録」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2008年3月14日

vol. 29 近藤 雅広神父様(S10)南山産和尚の「告白録」

 南山で、宗教のブレンド”カトリック”に初めて出会いました。入学当時の校長は、ドイツ人のポンセレット神父でしたが、子供心に高僧の風格に畏敬を覚えたものでした。
 南山大学の一年生のとき、伊勢湾台風の直撃をうけました。自然の猛威に脱帽!
白旗をかかげてカトリックに出家し、修道院にこもり、結局”神父”になった次第です。メイド・イン・ジャパンの神父で、ローマ、ヨーロッパの垢やほこりをかぶっておりません。
 
 神父生活三十八年間、そのほとんどが「心のともしび」運動で、テレビ、ラジオによる伝道でした。いろいろな出演者、原稿執筆者に会える喜びは、この種の伝道活動の醍醐味でした。
 
 カトリックの洗礼を受けて五十五年、修道院、神父としてひたすら、忠義に励んでまいりました。三年前、運よくというのか、神の恵みというのか、病気になりました。
三十八年ぶりにサバチカル・イアー(研修休暇)をとりました。そこで、京都の大谷大学で原始仏教の研究で遊びました。この遊びは病気療養に何よりの薬になりました。
 
 カトリックから浄土真宗の研究メッカに身を寄せて、仏道の世界を体験しました。
 
 私たちは外国に留学したり、旅行をするとき、改めて自分が日本人で良かったと気がつきます。日本の美しさ、すばらしさに良くぞ日本に生んでくれたものよ、と感激します。
これによく似ておりました。
 
 京都の名刹、庭園、仏典、儀式等々,仏教文化の粋に触れれば触れるほど、私はあらためて、自分の帰依したキリストの道のなんたるかがわかりました。それに加えて「自分が誰か」ということを強烈に意識しはじめました。古希になって・・・
これは宗教の次元ではなく、霊性の次元の意識です。
 
 京都での仏教の研究という遊びは、カトリック三昧から、霊性三昧の世界に誘ったようです。
 
 南山卒業五十年の年は、もうひとつの出発になりました。あらためてわが母校に感謝。
 
“合掌”
 
  ”人間、高齢化はあっても、老化はありませんぞ。”
 
 
プロフィール
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近藤雅広(S10)
  1939年名古屋市生まれ。
  南山中学・高校卒。
  南山大学経済学部中退、上智大学神学部 及び大学院卒。
  神言会ゲマインダ神父の要請で「愛の実行運動」2年間。
  「心のともしび」ラジオ放送30年間、テレビ番組司会を経て
  「心のともしび運動本部」付きカトリック司祭。
  現在は2年の休暇を終え、本年3月より京都府下宮津カトリック教会赴任。

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