vol. 32 大橋 淳一先生(南山高校名誉教諭)「俳句の力」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2008年6月15日

vol. 32 大橋 淳一先生(南山高校名誉教諭)「俳句の力」

 私の指導している「さおり雨月句会」で
“母の日の 母に届かぬ 文を書く”
という句が出句されました。還暦を迎えられたばかりの女性の句です。多くの人が特選句に取り、涙を流して鑑賞する人もいました。
 
 ひとりの人が、この句を踏まえて、中日新聞夕刊の「ハイ編集局です」に「年配者を大切にする国になって」と題して次のように投稿しました。「高齢者医療制度が問題になっています。先日、俳句の会で、”母の日に 母に届かぬ 文を書く”に出会い、その途端、涙腺が弱くなったのか涙が止まりませんでした。両親がいたから自分があるのです。11日は母の日でした。日本が、年配者を大切にする美しい国になりますように」と。
 
 掲出句は新聞を通して多くの人の心を打ったことと思います。十七文字ですが、俳句は強い力を持っています。常盤会にも俳句の会があります。
 
 G2の同窓生の呼びかけから、水野房子さん、高木日那子さんの協力を得て誕生した「南山ときわ句会」は毎月一回で今月75回目を迎えました。俳誌「雨月」に所属し、「南山ときわ句会」で詠まれた句は、選評して「雨月」に出句します。「雨月」の選者で副主宰の大橋 晄(あきら)先生は、男子部のS8回生でもあります。
 
 高校の同窓会が句会を持っているところは珍しく、女子部の手島伸子先生のご指導も得て7年目を迎え、皆一段と上手になりました。これからは日本の俳句会に名の知られる活動もしたいと考えています。
 
 〜五月の南山ときわ句会〜
無量寿寺に 三像在し 杜若      伸子
娘来て 語りあかして 春惜しむ    房子
村中の空を いっきに 鯉のぼり    喜美
山茶花の 散り際といふ 見頃かな   妙子
茶畑の 波にそそぐ 日夏隣      冨美子
林間の どこか明るく 水芭蕉     智恵子
潜りては 振り向く水鵜 青葉潮    高代
藁屋根の 奥に光れり 柿若葉     さゑ子
ひとしきり 桜吹雪を うけてをり   日那子
風まかせ 流れまかせに 花筏     節子
久遠寺に 誘ふ如く 桜咲き      孝子
春惜しむ 千体観音 拝しては     とも子
総領に 生まれし夫と 柏餅      昭子
鳥帰ると 空を見上げし 分かれ道   淑子
垣根越しに 見ゆる牡丹を 楽しめり  憲
花一輪 菓子に添えたる お茶屋かな  美千子
すみれ草 咲くも悲しや 殉死塚    淳一
 
 
<大橋 淳一 profile>
昭和3年     愛知県海部郡十四山村に生まれる。
昭和20年     広島高等師範学校国文科 入学。
昭和20年8月   ヒロシマにて被爆。
昭和24年〜44年間 南山高校男子部に奉職。
昭和62年7月   蜘蛛膜下出血で倒れる。
闘病生活の中で俳句を作り始める。
 
平成元年から俳誌「雨月」に投句。
平成3年名古屋雨月句会幹事。
平成4年「雨月」同人となる。
平成10年俳人協会会員。
平成12年「雨月」推薦作家首位。
平成13年「雨月」特別同人となる。
 
現在 指導中の句会
名古屋雨月句会    南山ときわ句会
さおり雨月句会    可児雨月句会
知立雨月句会     清洲雨月句会
 
 
南山ときわ句会では、入会者を募集しています。未経験者もおおいに歓迎です。
日時:毎月第1水曜日 10時半〜12時
           1時〜2時45分
           (午後の部 歓迎)
場所:常盤会事務局会議室
お問い合せ:常盤会事務局
TEL 052-833-6146  FAX 052-833-6117
E Mail  tokiwakai@ic.nanzan-u.ac.jp

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