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2010年7月19日

vol. 52 清水 邦子(G20)「なうっ@タンザニア!」

 丁度今、南アフリカで開催されているサッカーW杯。連日の熱き戦いの中、8強決定戦で日本Xパラグアイの試合がありました。結果こそ惜敗でしたが、日本中が、サムライ・ジャパンの素晴らしい大健闘、そのスピリットに喝采をおくっていたのではないでしょうか。
 
 サッカーは、東アフリカでもとても人気があります。丁度日本の野球に当たるように、人気があるだけではなく、身近でもあります。ボールひとつあれば、子供達が器用にボールを操って遊びます。
こんなことがありました。インド洋海岸で夕日を浴びながら短パンで元気にボールを蹴っていた少年達の腕や足が、黄金色にキラキラ輝いていました。肌についていたのは海岸の砂粒。金色の細かい砂粒が、ボールを追って転ぶたびに褐色の肌にくっついて、豪華な黄金の飾りになっていたのでした。目を輝かせてボールを蹴っている少年達と夕日に輝く金色の肌が薄暮の中、綺麗でした。
 
 スワヒリ語を習いに東アフリカの学校に行き、その後、近隣の諸国をめぐりながら南アフリカまで縦断をしたことがあります。その時に訪れたタンザニアに強い印象を受け、帰国後、東アフリカを理解し学ぶ会を立ち上げ、2005年の万博をきっかけに、タンザニアに特化した「ギャラリー・タンザニアフィリア」を開くことになりました。
ギャラリーとはいっても、タンザニアのティンガティンガ絵画など素晴らしい文化を紹介しつつ、インフォメーションを広く伝えてゆくという機能もあり、日本とタンザニアを結ぶ交流のお手伝いも、ムタンゴ大使(2000-2009年在任)との協力で始め、現在も続いています。
 
 交流サポートは、ムタンゴ大使が熱意を持ってタンザニアと日本の橋渡しをされていることがきっかけとなりました。タンザニア人留学生サポート、医療治療チームと現地病院とのマッチング、学校・団体での講演、社会奉仕活動先の紹介、商品開発と輸入販売、旅行のサポート等のほか、日本の企業哲学の本がスワヒリ語に翻訳出版されるお手伝いもしました。これからも、枠をつくることなく、新しい交流の構築に意欲的にチャレンジしたいと思います。
 
 このサポートを重ねるうちに、今まで以上に沢山の方たちにもおめにかかる機会が増えました。2008年には、TICAD IV(第四回アフリカ開発会議)と洞爺湖サミットのため来日されていたタンザニアのキクウェテ大統領にもお目にかかり、タンザニア側通訳として同席させていただき、物事の把握の早さ、的確なご説明など、大統領オーラとともに強く印象に残っています。
スワヒリ語を習いに東アフリカにいっていたこと、タンザニアが大好きなことなどをお伝えすると、スワヒリ語を使うなら毎日話すことが大事だ、頑張って、と激励されました。次回お目にかかる機会があれば、ぜひスワヒリ語でお話をしよう!と思います。ちなみに、タンザニアの大統領選挙は5年に一度行われ、2005年に選出されたキクウェテ大統領の選挙は今年10月。今頃は日本の二倍半はある全土を、元気に遊説されていることと思います。
 
スワヒリ語ひとくち講座
  こんにちは! Jambo!
  ありがとう。 Asante. 
  また会いましょう。 Tutaonana. 
すべてローマ字読みでOK。後ろから二つ目の母音にアクセントがあります。日本人はスワヒリ語がとてもうまいといわれています。
皆様、ぜひチャレンジしてみてください。
 
 今年5月末にNHKのラジオ国際放送スワヒリ語番組に出演してきました。
タンザニア人の友人に、自分の英文草稿をスワヒリ語訳してもらい、その原稿を握り締めて新幹線に乗ったはいいけれど、席に着いた途端に爆睡!じっくり原稿をみる時間も無くNHKへ。初めて見るNHK他国語放送のフロアは実に国際的で、何十ヶ国語かのネイティブ・アナウンサー達が、それぞれに原稿を作り、ブースに入り、番組が作られてゆく様は、実に壮観でした!インタビューでは、スワヒリ語数行(「タンザニアフィリア」という言葉の意味の解説!)の原稿を覚えこみ、あとは英語で冷や汗の放送を終えました。後日、放送されたものを恐る恐る聞くと・・・
なんと!私が流暢にスワヒリ語をはなしているではありませんか!!最初の訥弁(これは本当に私が話している部分)から打って変わって、途中から素晴らしい名調子・・・私はこんなにスワヒリ語が話せていたのだろうか、思ったよりもましではないか、と感慨深く聞いていると、かすかに英語の自分の声が。ええ、それはアフレコだったのです。しかし、驚いたことに、私のタンザニア人の友人達からは「すごくうまかったね、あんなに話せるなんてオドロキだ、しらなかったよ、鼻が高い」などといわれて、私自身も知らなかった、あれはアフレコで、私じゃなくて、声がちがうでしょう、と最初は説明をしつつ、そのうちに面倒になって「ありがとう」など曖昧な笑顔で答えているので、大きな誤解が生じてスワヒリ語の通訳をしてほしいなど言われないか、ちょっと不安な毎日ではあります。
 
 これからも、タンザニアとの新しい交流を構築できればと思っています。もしご興味のある方がいらしたら、どうぞご連絡ください。タンザニアは、素晴らしい自然、暖かい人々がいる、故郷のような、そしてこれからの大きな可能性がある国です(人類最古の骨がオルドゥバイ渓谷で発見されています)。アフリカの水を飲むと、また必ずアフリカに帰るといわれていますが、タンザニアも、一目その大地を見、人々と言葉を交わし、爽やかであまい空気をかぐと、また再び行きたいと願う場所です。
 
 ぜひ遊びに訪れてください。エミレーツやカタールなど、本当に快適な航空機でひととび(すみません、トランジットがあるので二飛び)です。キリマンジャロの近くのアルーシャでは、文化交流センターKECEC(ケーセック:Kilimanjaro Ecology and Culture Experience Center)を現地の友人達と建設中です。すでに長・短期宿泊もでき、家庭料理や村人、学校との交流、現地の活動参加などが可能です。
タンザニアをよりよく知りたい方も、まずはぜひギャラリーへ気軽にお立ち寄りください。お待ちしています。また、お目にかかりましょう!
 
プロフィール
清水邦子(G20)
 上智大学卒業後、東アフリカ留学
 駐日タンザニア大使館 商業文化交流 中部地区名誉代表
 ギャラリー・タンザニアフィリア 代表

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