vol. 56 赤間 雅子(G12)「作家 故 森瑤子との思い出」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2010年12月24日

vol. 56 赤間 雅子(G12)「作家 故 森瑤子との思い出」

 人には誰でも幾つかのターニングポイントがあると思う。私にとって森との出会いもそんな一つであった。
 森とは、友人の紹介で会い何回かお茶を飲みおしゃべりするという間柄であった。
私が40歳の時、長期の病気から回復し、また同時に離婚考慮中の折、”雑誌取材旅行に一緒しない?”という誘いをいただいた。健康面で今一つ自信はなかったが折角のお話、思い切って香港へ同行することとなり、それは紙面10頁にわたるとても楽しい内容の旅行となった。
 それからまもなく、女友達4人で再び香港へ旅行することに。ペニンシュラホテルに宿泊。日本に帰国当日、森から”また仕事始めれば?”と何気ない一言。というのは、私が慶大卒業後、電通入社、退社後渡仏、帰国後ファッション、クラシックバレエ関係での職歴を森が知っていてくれたのでそうアドバイスしてくれたのだと思う。間もなく”私の仕事手伝ってくれない?”との話。当時は森がまだそれほど忙しくない時期。スタッフも私が最初で、資料の整理、電話の応対からスタート。
 
 それから程なく多忙となりスタッフもふえ、高島屋には森のセレクトショップまで開店した。講演会への依頼も増え、私はそのマネージメントを担当。時には講演先へ同行することもあった。泊まりがけが多かったのでリラックスしてしゃべる機会も多く人となりにも接することができた。
 
 森の大好きな土地―香港へは4回も同行させてもらった。常に細やかな心遣い、誰にも分け隔てなく、いつも笑顔、”ビタミン愛”をモットーとし、人に対する感謝の気持ちを忘れず、みんなで楽しむことが大好きだった。楽しむためのアイデア、時間の作り方は抜群だった。
 森は執筆し続け日々多忙を極めていた。
 
 今から17年前、かの有名な”風と共に去りぬ 続編”の翻訳を引き受け、それに費やすエネルギーは莫大なもの。そこで遂に力尽きてしまった。
 享年52歳であった。式は四谷イグナチオ教会でとり行われ、告別式の写真は森自身が生前選んでいた篠山紀信氏撮影によるオーストリッチの羽の帽子を華やかに被り溢れんばかりの笑顔に満ちたものだった。余談であるが、私も森を見習い自分の気に入った写真をその時のために選んである。
 式には”皆さん、おしゃれして来てね”とのメッセージ通り、悲しく切ないことではあったが、多彩な方々に参列していただき、おごそかな中にも森にふさわしく盛大なすばらしいものであった。お墓は海の大好きだった森の遺言により、与論島にある別荘の庭の一角、海を一望できる場所にある。ガウディ風にタイルでアートされた自然の風景にぴったり溶け込んだしゃれたデザインのお墓である。
 
 一昨年、森没後15年、作家デビュー30年を記念し、森の挿絵を永らく描いてきた画家の”橋本シャーンの絵画展”と”娘達が語る森瑤子の世界展”のコラボ展を開催した。3人の娘のうち、長女へザーが中心となり、森のコレクションの一部、帽子、ドレス、香水びん等代官山ギャラリーに森の部屋が再現された。
 オープニングパーティーでは私が司会をさせていただき、吉村真理さん、加藤タキさんにスピーチをしていただき、ギャラリーは大勢の知人、ファンの方々で埋め尽くされた。連日多くの方々が森の思い出話に花を咲かせて下さった。
 
 その後昨年は六本木ミッドタウンにてオマージュ展、また玉川高島屋で。今年は藤沢小田急でメモリアル展を開催。
 
 多くのことを森から学び、また思い出は、今なお私の心に深く刻まれ続けている。
 
*G12赤間雅子さん
趣味:フラダンス・ゴルフ・刺しゅう・映画鑑賞・旅行G

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